▼この記事でわかること
・唐津市七山地区で地域おこし協力隊として活動する野田宗作さん、早百里さんのインタビュー
・地域おこし協力隊の活動内容
・七山の中の絆を深める新聞「ななやま新聞」とは
・3人のお子さんとの七山での移住ライフ
・地域おこし協力隊任期終了後の活動について
野田宗作さん、早百理さん
地域おこし協力隊
2021年4月から地域おこし協力隊として七山に着任。地域新聞「ななやま新聞」の発行、地域を盛り上げるイベントの運営・企画、SNSでの七山の魅力発信など精力的に活動中。
Instagram: https://instagram.com/nanayamaokoshi
新聞でつなげる地域の絆
宗作さんと早百理さんが3人のお子さんと七山にやって来たのは2021年4月。
当初、地域おこし協力隊としてお二人に与えられたミッションは2つ。
ひとつは「七山の中の絆を深める新聞を作る」こと。未経験ながら、宗作さんが撮影、早百理さんが記事の構成やライティングを担当し、1〜3ヶ月に1号のペースで「ななやま新聞」を発行。
地域のイベントやスポーツ大会のレポート、地元のニュース、飲食店の紹介などを行ってきました。
方言がきつい地元の方に出会ったことから生まれた「七山弁講座」、赤ちゃんが多く生まれた年に始めた「ななやまベイビーズ」など、七山ならではのコーナーも。
「思い出深いのは、『ななやま農家さんめぐり』という連載の取材です。七山で農家になった理由や、こだわっているところを聞いてきました。キャリアの最初から農家になった人は少なくて、色んなことを経て農家になったという人ばかり。私が七山に来てお世話になったのは農家さんが多かったのですが、普段話していては知りえないこともあってありがたかったですね」(早百理さん)
「1年目はまだコロナ禍だったこともあって、イベントや大会に家族や知り合いが出ていても見に行けないという方が多かったんですね。行けなかったイベントの内容をななやま新聞で把握できたのが良かったみたいです。それから、今は七山の外で暮らしている若い世代が帰省の時に読んで、七山のことを思い出してもらって、ゆくゆくは帰って来てもらいたい。という意図もあります」(宗作さん)
地域新聞ならではの密着感と温かみのある「ななやま新聞」は、地区の人に大人気。大事にファイリングして保管している方もいるほど。
また、Instagramで七山の情報発信をさかんに行っていたところ、その影響でInstagramを始めたおじいちゃん、おばあちゃんも。投稿を見て、新聞のネタになるような情報を提供していただくなど、コミュニケーションツールとしてしっかり機能しています。
コミュニティ拠点作り&災害復興クラウドファンディングを実施
もうひとつのミッションは、「七山のコミュニティ拠点をつくる」こと。
お二人の活動拠点は「ななやまんち」。元は商工会議所だった建物を、企画したイベントの会場として使ったり、一部リノベしてカフェ営業ができるようにしたりと、成長の真っ最中。ゆくゆくは、移住希望や農地を探す方に提供する情報が集まる場所、地域の人が気楽に集まれる場所を目指しています。
2023年7月に大雨による土砂災害が発生した七山地区。お二人は農家さんを支援するためにクラウドファンディングを行い、約432万円が集まりました。また、10月には七山の食材を使った料理を楽しむ「オクトーバーフェス」を企画、実施しました。
「災害が起きてから怒涛の日々で農家さんたちは疲れ果てていました。それでも「皆で一緒に一日だけでもおいしいものを食べて、飲んで、楽しく過ごせたら…」と大学生のインターンの子と企画したんです。農家さんや飲食店の方、七山の仲間たちがサポートしてくれて、なんと130人もの人たちと楽しい時間を過ごすことができました。」(早百理さん)
地域おこし協力隊任期後の活動について
お二人の地域おこし協力隊の任期は2024年3月まで。これからの活動は。
「これからも家族5人で七山で暮らしていきます。僕は、これまでやってきた地域おこしの延長線上の仕事と七山むらづくり協議会の仕事をやっていきます」(宗作さん)
「私は地域おこし協力隊を呼びたい自治体や、地域に入られた協力隊の皆さんをサポートするお仕事と、自分で英語を使った仕事もやろうかなと。それから、農園をやっているので、収穫体験や山での田舎暮らしを体験できるワークショップ、調味料づくりなどをイベントとして行っていきたいと思っています」(早百理さん)
七山の魅力は来てもらえば必ず伝わる。そんな思いで、3年間で多くのイベントを企画、実施して来たお二人。立場は変わっても引き続き、七山の魅力を発信しつづけていきます。